FIREを灯せ
By Andrew Brown


基本セット2020、プレビューシーズンの最初の週へようこそ!
(訳注:この記事は2019年6月21日にWizards米公式で公開されたものです)
この記事では新セットについて語り、数枚の新カードを公開し、そして、これからのスタンダードとリミテッドにおけるプレイデザインの新しい哲学について意見を交わしたいと思っています。

・FIREを灯し始めよう
デイヴ・ハンフリーが彼の灯争対戦のデザイン記事で語ってくれた通り(訳注:原文ではここに記事のリンク)、
アーロン・フォーサイスが「よりエキサイティングなカードを作るために、我々がどのような取り組みを行うべきか」についての情熱的なスピーチをR&Dに対して届けました。
この事は、R&Dにおける我々中核的目標の洗練と「F.I.R.E」の創設へと繋がりました。
"FIRE"は新しい哲学を掲げるための頭文字を取った合言葉であり、初期デザイン、プレイデザイン、クリエイティブチーム、それぞれにとって異なる意味のある言葉に翻訳・解釈されます。これから紹介する"FIRE"は私――プレイデザインの視点からのものです。

F-Fun(楽しさ)
何よりも、我々のゲームは楽しくなければいけません。
プレイデザインにとっては、楽しさというのは興味深い決断、多様なゲーム体験、そしてそれぞれの対戦が独特であると感じられることです。
ゲームデザイナーとしての仕事の一つに、様々な楽しさを定義することも含まれます。我々は、幅広い人達にとって楽しいカードを作ろうと尽力しています。

I-Inviting(呼び込む)
我々のゲームは様々な人がアクセスできるべきです。
プレイデザインの観点からだと、「共鳴できる」カードやわかりやすいゲームプレイによって、新規や経験の浅いプレイヤーもフォーマットに参加できることを意味します。また、多種多様な戦略が実行可能であるべきということも意味します。

R-Replayable(再プレイできる)
再プレイ可能性の鍵は、バランスと多様性にあります。我々は、幅広いデッキと戦略が適正なパワーレベルで存在できるよう取り組んでいます。

E-Exciting(興奮させる)
プレイヤーは、カードを読み、それらをプレイすることに興奮を覚えるはずです。
我々は、プレイヤーがクールな新デッキやアーキタイプを思いついて構築できるように、カードをデザインし、コストを決定したいと思っています。

FIREの議論から生じた大きな変化の1つは、コモンをどうデザインしうるかです。
灯争大戦から、我々はより多くのコモンをエキサイティングになるよう働きかけはじめた。
我々の目的は決してクールなコモンを印刷しないことではなかったのですが、もう少し拘束を緩めることにしました。この二枚のコモンこそ、"FIRE"から早速基本セット2020にもたらされた者たちです。

雲族の予見者/Cloudkin Seer 2U
クリーチャー-エレメンタル・ウィザード
飛行
雲族の予見者が戦場に出た時、カードを1枚引く。
2/1

殺害 1BB
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。

雲族の予見者と殺害は、我々が過去送り出したほとんどのコモンよりも、基本的には強力です。These cards are exiting in part because of their strength relative to their commonality.
我々は、楽しさと相互作用性のあるカードを強化するのが気に入っています。我々は、殺害のようなコモンの強力な除去が好きですし、雲族の予見者は、単体でゲームを破壊するほどではありませんが、楽しくて強いカードです。レアのスロットから出るカードとその他のカードのパワーの差を縮めることは、パックを開けることをより楽しくさせてくれます。

ブースタードラフトはマジックを楽しむ手段の一つでありますが、より意味のある選択ができればより楽しくなります。パックを開けてどのカードを取るか決めることは、新しいプレイヤーにとっては難しいことです。より強力なカードを簡単に識別するできるようすることで、ブースタードラフトをより"呼び込みやすい"ものであるようにしました。マジックは決断のゲームであるべきですが、ドラフト初心者には少し微妙であると感じられたからです。

こっから二色土地とリッチの話なんだけどこんどやります。
ARENAで毎日1個手に入る2色デッキに入ってるレア・神話レアのリストが欲しかったのでWikiを参考に自分でまとめてみた。
新規に始めた人はこれらのカードを3枚ないし2枚以上は作らないようにしましょう。
また、コモン・アンコモンも構築に有用なカードばかりなので、以下のwikiのページの一番下の方にある構築済みデッキのリストを参考にしておきましょう。

Magic: The Gathering Arena - MTG Wiki
http://mtgwiki.com/wiki/Magic:_The_Gathering_Arena

神話レア
法をもたらす者、アゾール/Azor, the Lawbringer
悪魔王ベルゼンロック/Demonlord Belzenlok
再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix
殺戮の暴君/Carnage Tyrant
ベナリア史/History of Benalia
輝かしい天使/Resplendent Angel
黄昏の預言者/Twilight Prophet
オラーズカの暴君、クメーナ/Kumena, Tyrant of Orazca
荒くれ船員/Rowdy Crew

レア
土地
氷河の城砦/Glacial Fortressをはじめとした友好色・対抗色M10ランド各1枚ずつ


突き刺すケラトプス/Goring Ceratops
残骸の漂着/Settle the Wreckage
祖神の使徒、テシャール/Teshar, Ancestor’s Apostle
豊潤の声、シャライ/Shalai, Voice of Plenty
アジャニ最後の抵抗/Ajani’s Last Stand
レオニンの戦導者/Leonin Warleader ×2
贖罪の聖騎士/Paladin of Atonement
キンジャーリの陽光翼/Kinjalli’s Sunwing
弱者の師/Mentor of the Meek


原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide
機械と共に/One with the Machine
謎かけ達人スフィンクス/Riddlemaster Sphinx
夢呼びのセイレーン/Dreamcaller Siren
海底の神託者/Seafloor Oracle
秘滝の軍使/Herald of Secret Streams
神秘の考古学者/Mystic Archaeologist
川の叱責/River’s Rebuke
幻惑の旋律/Entrancing Melody


凶兆艦隊の毒殺者/Dire Fleet Poisoner
遺跡の略奪者/Ruin Raider
墓起こし/Gravewaker
惨劇の悪魔/Demon of Catastrophes
墓地解放/Open the Graves
聖域探究者/Sanctum Seeker
薄暮の勇者/Champion of Dusk
ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt
飢饉の具現、トルガール/Torgaar, Famine Incarnate
ベルゼンロック典礼/Rite of Belzenlok



ゴブリンの損壊名手/Goblin Trashmaster
包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander ×2
原初の嵐、エターリ/Etali, Primal Stor
苦悩火/Banefire ×2
銀まといのフェロキドン/Silverclad Ferocidons
反復連射/Repeating Barrage
焼熱の太陽の化身/Burning Sun’s Avatar
蠱惑的な船員/Captivating Crew


カル・シスマの恐怖、殺し爪/Goreclaw, Terror of Qal Sisma
ペラッカのワーム/Pelakka Wurm
茨の副官/Thorn Lieutenant
驚異的成長/Prodigious Growth
新緑の魔力/Verdant Force
若葉のドライアド/Tendershoot Dryad
発見の道/Path of Discovery
翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger
深根の勇者/Deeproot Champion
深根の精鋭/Deeproot Elite

多色
人質取り/Hostage Taker
攻角のケラトプス/Siegehorn Ceratops


はじめに全体の感想
・「なんかArenaとか始まってるらしいけど、どうせMTGのゲームなんてテンポ最悪だしカード集めるのだるいし金掛かるんだろ~~~????」って思ってやってなかったんだけど、全然違った。
先行1ターン目土地置いてエンド、が一瞬で終わるという当たり前なんだけど画期的なテンポの良さに感動。
・しかも初期カードプールめっちゃつええ!チャンドラとか歩行バリスタとかあるしなんでも組めるやん!かなりスタン楽しめる!!!
・カード意外と集めやすい……けど4枚積みはやっぱり課金の領域
・ドラフトはAIがアホすぎて魔境
日本語対応して!!!!!!!


導入編
Alienware
https://na.alienwarearena.com/

MTG Arenaは本来まだクローズドβで、メール登録して1ヶ月ぐらい待ってコード受け取ってーってやらないといけないんですけど、なんかここのサイトに登録してArenaのバナーのページに行くと、参加コードが貰える。英語の説明を読みつつクライアントを入れていけばまあわかると思う。

導入した後編
・チュートリアル
飛ばしたからわからん……

・メインメニュー
全部英語だけど難しいことは書いてないはず
Quick Play→スタンダードのカジュアルマッチング シングル戦
Quick Draft→AI7人相手にドラフトして組んだデッキを持ち寄ってオンラインマッチング シングル戦
Competiveって付いてるやつはマッチ戦。高いからやってない。
Exploration→ハースで言う酒場、特別構築戦。この前まではハイランダー戦やってた。

・とりあえずメインのスタンダード戦やりたいんだけどデッキどうするの
とりあえず初期カードプールで僕が組んで回した奴を貼るので各自調整して。
///~///内をクリップボードにコピーしてデッキ画面でIMPORTすればデッキになるはず。

「赤黒機体」
///

4 Bomat Courier (KLD) 199
2 Lightning Strike (XLN) 149
6 Mountain (RIX) 195
3 Pia Nalaar (KLD) 124
3 Chandra, Torch of Defiance (KLD) 110
3 Fatal Push (AER) 57
6 Swamp (RIX) 194
4 Glint-Sleeve Siphoner (AER) 62
4 Scrapheap Scrounger (KLD) 231
1 Gonti, Lord of Luxury (KLD) 84
3 Unlicensed Disintegration (KLD) 187
4 Cinder Barrens (M19) 248
2 Heart of Kiran (AER) 153
2 Aethersphere Harvester (AER) 142
4 Aether Hub (KLD) 242
4 Spire of Industry (AER) 184
3 Walking Ballista (AER) 181
2 Shock (AER) 98

///
お馴染みの赤黒機体。チャンドラとバリスタ、収集者が4枚詰めてキラン号と収集艇あるから普通にめちゃくちゃ強い。このデッキを強くしていくだけでカジュアル戦ならバンバン勝てるはず。

「黒緑エネルギー」
///

8 Swamp (RIX) 194
4 Glint-Sleeve Siphoner (AER) 62
2 Scrapheap Scrounger (KLD) 231
1 Noxious Gearhulk (KLD) 96
3 Winding Constrictor (AER) 140
8 Forest (RIX) 196
1 Blooming Marsh (KLD) 243
3 Foul Orchard (M19) 251
4 Fatal Push (AER) 57
2 Blossoming Defense (KLD) 146
2 Llanowar Elves (DAR) 168
2 Longtusk Cub (KLD) 161
1 Rishkar, Peema Renegade (AER) 122
1 Bristling Hydra (KLD) 147
1 Verdurous Gearhulk (KLD) 172
2 Heart of Kiran (AER) 153
2 Aethersphere Harvester (AER) 142
4 Aether Hub (KLD) 242
4 Walking Ballista (AER) 181
2 Murder (M19) 110
1 Gonti, Lord of Luxury (KLD) 84
2 Live Fast (KLD) 87

///
こっちは「巻き付き蛇」を軸にカウンターシナジーを活かしたデッキ。
ギミック寄りのデッキが組みたいカードオタクにはこれだぜ。コモンのワイルドカードが手に入り次第ラノワールのエルフと冒険の衝動を足すと安定します。

ドラフト編
ジェムでM19ドラフトして3勝ぐらいするのがこのゲームで一番コスパの良い遊び方。
他のDTCGのアリーナ戦と違って、取ったカードは自分のコレクションに入るので700ジェムで大体200ジェムぐらい帰ってきて3パック分のカード+1パック入る。
ただ、ドラフトするAIがアホでデッキがかなり強くなりがちなので魔境。まだ回数こなしてないしドラフトは得意じゃないので偉そうな事は言えないけど、
「青白黒が強い」「受けてボムを叩きつける構築は基本無理、それよりコモンアンコモンの有用な戦力をちゃんと集める」
「飛行と横並びで圧を掛けて勝つか、ライフゲインシナジーで勝つ」あたりを意識したら良いかもしれない。

パック編
現実と同じ封入率の7枚入りパックを開ける。救済措置としてワイルドカードってシステムがあり、パックからたまに蓮柄のカードが出てきて、そのカードは同じレアリティの好きなカードとコレクション画面で交換できるシステム。

例えばパックのアンコモン枠には稀にアンコモンのワイルドカードが入ってて、コレクション画面で打ち壊すブロントドンと交換できる感じ。

あとパックから引く他にも、パックを一個開けるごとにそれぞれ独立に進行するタイマーがある。わかりづらいので箇条書きすると
・5パック開けるとアンコモンのワイルドカード1枚手に入る
・6パック開けるとレアのワイルドカードが1枚手に入る、ただし4回目は神話レアのワイルドカードになる(つまり24パックに1枚神話レアのワイルドカードがもらえる)
という感じ。説明下手なんで伝わらないかも。
あとは、4枚目以降のカードは内部でvaultってとこに溜まってて、vaultの値が100超えると神話レア1とレア2貰えるとか。
どうもラヴニカ実装と共にカードはリセットしてジェムは返還されるそうなんで「スタン落ち有るしラヴニカ出るまでワイルドカード貯めるぜ!」みたいな事は考えないで今組みたいデッキを組んで良いみたいです。違ったらごめん!

(まだまだ続くかも)
なんとなく気分と話題のノリが載って集中更新したので、
re-giantさんをリスペクトして今週のまとめ。

・開発部の黒歴史その2
この記事に限らずだけど、僕の翻訳はかなりざっくりとやってます。
「まあ原文の意味がちゃんと伝わってくれればいいっしょ」みたいな。
流石に有名なトムラピルさんの文章だけあってかなり読みやすいです。

「Let’s pause for a moment to appreciate how difficult affinity is to deal with as a developer. We have learned that cards that are powerful but read poorly are a great recipe for getting bad initial buzz about a set. We have also learned that keyword mechanics that are much stronger than they look create cards that read poorly. Affinity is one such mechanic, so the developers were under some awkward pressure to find exactly the right balance between appropriate card power and cards that are appealing to read. That’s not a great spot to be in, and I don’t envy their position.」

マイアの処罰者のところに書いてるこの文章、10分間ぐらいなんじゃこりゃってなってんですが、意味がわかってみるとなるほど、と言った感じ。
この「パット見で弱い能力がセット自体の評価も下げてしまう」というの、最近では果敢なんかがそうだったなーと。流石に果敢には凄い壊れってカードは出なかったですが(強いよねメンター)、見た目の強さと使った強さの両方が大事ってのはかなり大変なんだろうなと。イニ影の調査もスポイラー時点では全く評価されてなかった能力でしたね。

・ギサとゲラルフ誤訳案件
誤訳かどうかはまだ確定ではないけど、冷静に考えると墓地から無条件キャストって4マナのジェネラルに無条件で与えて良い能力じゃないような。
そもそも自分のターンに無条件キャストなら「各ターン」となってるのもおかしいしなーと。
まあ、こういうカード事態の評価を180度変える羽目になる誤訳は流石に勘弁して欲しいものですな、姉上。

・セレズニアポカリプス
原文が結構荒めの英語だったのでだいぶ苦労したところ多し。おそらく精度で言うと55%ぐらいな感じがする。なんとか原文の意図を読み取って訳出できたとは思う。精進精進。
僕は公式サイトのコラムを読むことでしか最近はMTGに関わって来なかったので、スタンダードのバランスがここまで崩れてるのは知らなかったです。翻訳するときに裏を取るためにイゼ速の大会結果を確認したらマジで緑白ばっかで驚きました。
ギセラやタミヨウを見る感じむしろ相性の良いカードはどんどん増えてる気も。
稲妻の一撃、帰ってくるといいね。

・おまけ
スポイラー期はいろんな情報が飛び交うから熱に浮かされやすくなっちゃうけど、ソースの確認やウラ取りはちゃんとやろうね!
GatheringMagicの公式スポイラー初出なのに「タミヨウはフェイクだ!!!2014に見える!!!」とか言い出したり、それに乗ったりしちゃ駄目だぞ!

GatheringMagic、今の開発部に居る人が関わってた歴史があったりしてドチャクソ歴史長いコミュニティですからね。


原文はこちら。 http://www.channelfireball.com/articles/selesnyapocalypse/

agic: the Gatheringには本来5色のマナが存在する……しかし、君がスタンダードをやっているならば、存在するのは緑と白の2色だけだ。

先週末に行われたグランプリ(ピッツバーグと台北)での結果を見て、既に確立されきっているスタンダードの流行にとても驚いた。

バントカンパニーと緑白トークンデッキが、他のどのデッキよりも明らかに"良い"。

もし君が「どうしてより良いって言い切れるわけ?」と聞いてきた時の答えは用意している。「支配的と言えるほどに広く結果を出している」と。

グランプリ両方のトップ8の合計16デッキのうち、14個が中隊入りバントデッキないし緑白トークンだ。数字にすると87.5%にも及ぶ。

内訳にすると
・10 中隊入りのバントカラーデッキ(内5つがバント人間、5つがバント人間カンパニー)
・5 緑白トークン
・2 その他(赤緑ランプとスゥルタイミッドレンジ)

もし、君が緑と白が支配的であるという情報がもっと欲しいならば、ピッツバーグの9-32位フィニッシュまでのデッキのうち、緑白トークンが8個、バントカンパニー6個で残りの10個がその他のデッキとなる。約60%が緑白デッキだ。

この環境最高の2つアーキタイプは、理不尽なことにどちらも緑白メインであるのにも関わらず、それぞれ異なるカードを軸に据えて戦っている。

まずひとつは、集合した中隊を軸にしたクリーチャーシナジーメインのデッキ、そしてもう一つが緑白のプレインズウォーカー同士のシナジーをメインにしたデッキ。

つまり、この2つのデッキはどちらも緑白なのに使うカードがほとんど被ってないのである。

両方のアーキタイプにも共通するカードはある、もはや犯罪級に強いこの2枚だ。

(原文にはここに森の代言者とドロモカの命令の画像)

基本的に前述の緑白デッキの全てがドロモカの命令を4枚積んでいる。カンパニーデッキの中でもバント人間カンパニーは人間シナジーを重視して代言者は積まないことが多い。しかし、チームメイトと私は実際には代言者入りのバント人間カンパニーを感触が良かったので使っていた。

・スタンダードの修正のためには禁止カードが必要であるか?

この結果から見て分かる通り、今のスタンダードが健全とは言い難く、多様性と活気に欠けている。

問題のあるデッキの共通点を見ていくと、禁止すべきカードが論理的に導き出される……ドロモカの命令に違いない。

このカードはセレズニアカラーなら基本的に思考停止で4積みするカードになっている、何故ならば、あまりにも強力だからだ。

何故私がドロモカの命令を問題だと思ってるか、君たちに納得させてみよう。まずは最初に、Wizardsが2マナの黒の定番除去(原文では破滅の刃の画像)と、赤の2マナの汎用3点除去(原文ではここに稲妻の一撃の画像)を刷らなくなったということだ。

それに対し、ドロモカの命令は有用なクリーチャーが多く入るデッキでは、ほとんど緑白で唱えられる終止と言っても過言ではない。

おっと、さらにエンチャントも割れて火力呪文への打ち消しもついてる。こりゃ2マナにしては悪くないね!

ドロモカの命令は他のフォーマットではただの"良い"カードだろう。しかし、他の低コストの除去が存在しないスタンダードではあまりにもオーバーパワーだ。ドロモカの命令は、そのインスタントスピードでの格闘効果で、緑白使いに他のどの色にもできない、軽くて万能な除去手段をもたらしてくれる。

真面目な話、私は稲妻の一撃や、破滅の刃、または燻しのどれかがあればスタンのメタゲームは乱暴ながらも異なるデッキが出てきたと思う。

同様に、集合した中隊もアンフェアで不健康な事態を起こす。こいつは4マナのインスタントがやっていい効果じゃない。戦闘中や相手のエンドに戦場にクリーチャーを呼び出したりする効果は6マナが適正だ。それを4マナで行うのはあまりにも不愉快すぎる。

私は、人々が「中隊を禁止すれば緑白トークンと張り合うデッキが使えるか?」と議論するのを聴いたことがある。その問題点の一つとして、緑白トークンとカンパニーは手広く攻めることが可能な上に、他のデッキにそれら一つ一つへの正確な解答を要求するということがある。

仮に集合した中隊が禁止されたと仮定して、遠い未来で全く同じような問題を起こしてモダンで禁止されとしてもおかしくない。単純明快に、このカードは壊れてるのだ。

私が異界月に一番望むのは、禁止措置が必要ないように他のデッキにも環境トップのデッキの戦術に対する対抗策を与えてくれることだ。もっと良いのは、異界月がいくつかの全く新しい驚きの戦法を生み出して皆がそっちを使うために意識を切り替えることだろう。

個人的に、DCIが新セットと同時にスタンで禁止を出したらとても驚くと思うし、そうしなくていいように新セットに何かを用意してるだろうと考える明確な理由が2つある。

1.新セットはフォーマットを大きく変える。新しいカードには探求すべき可能性を提案してくれるし、このセレズニアアポカリプスと戦う手段を他のデッキにくれる。
2.もし異界月がこのセレズニア一強を根本的に解決できなかった場合も、9月に別のセットがやってきてドロモカの命令と集合した中隊(私が禁止すべきと考えてるカードだ)は優雅にスタン落ちして、スタンダードから自然に、かつ永遠に退場してくれる。

もし今Wizardsが禁止措置を行わなくても(まあ99%やらないと思ってるけど)、ローテーションが全部解決してくれる。新しい2セットローテーションの上のほうだから、そう長くはスタンに居られない。

私は新セットの新しいカードがこの停滞したスタンダードをまた動かしてくれると楽観視している。それは次のプロツアーの結果が明らかにしてくれるだろう。もしかしたら次の大会結果も緑白トークンとバントカンパニーでいっぱいかもしれないけど、それがわかるのは数カ月後だ。単純に破滅の刃と稲妻の一撃が戻ってきたりするかもね!

滑稽な事に、エムラクールがイニストラードと同じようにスタンダードに現れようとしている……そう、緑白のゲートウォッチ達の噛ませになるために!

日本語版のギサとゲラルフのふたつ目の能力
あなたの各ターンの間、あなたはあなたの墓地からゾンビ・クリーチャー・カードを唱えても良い。

英語オラクルのギサとゲラルフのふたつ目の能力(サルベより)
During each of your turns, you may cast a Zombie creaturecard from your graveyard.

明確に「a Zombie creature card」(ゾンビ・クリーチャー・カード1枚)とあるので、ルールの変更がない限り誤訳ですね。

類似テキストのストロームガルドの災い魔、ハーコンと比べると一目瞭然
 ストロームガルドの災い魔、ハーコンが戦場に出ているかぎり、あなたはあなたの墓地にある騎士(Knight)カードをプレイしてもよい。
 As long as Haakon is on the battlefield, you may play Knight cards from your graveyard.


みんなのワクワクを返せェ!!!!!!!!

七年ほど前、当時の「Latest Developments-デベロップ最前線」の筆者であるアーロン・フォーサイスが「開発部の黒歴史」と題された記事を書いた。その中で、彼はマジックの歴史の中で有名な壊れカード(適者生存、ドルイドの誓い、トレイリアのアカデミー、ヨーグモスの意志等)に対するマルチバースのコメントを共有し、こう締めくくった。

「もちろん、完璧な人間など存在しない。今より十年後にやってきた開発部の新しいメンバーが、我々の最近作ったカードを振り返って『何考えてたんだ?』と言う事もあるだろう。私はただ、彼らがこんな記事を書かないでおいてくれるのを願っている」

アーロンは、これをダークスティールの発売日から14日後に書いていた。


今週はミラディン週間だ。いくぞ。


Thirst for Knowledge / 知識の渇望 (2)(青)
インスタント
カードを3枚引き、その後アーティファクト・カードを1枚捨てないかぎり、カードを2枚捨てる。


まずは前菜から。知識の渇望はこの記事の中で最も防御的なカードだ。それでいて、スタンダードやエクステンデッドでリーガルな間は頻繁に使用され、ついにはMana Drainデッキがヴィンテージを支配した時、Moxとの相性を見込まれて禁止されるほど強力であった。こいつが印刷に至るまでに、開発部が何と言っていたか見てみよう。なお、彼らのプライバシーのためにイニシャルはD1、D2などと変更している。まだ一緒に働いてる人も数名居ることだし……。

 D1 9/9:インスタントにしないの?
 D2 (9/11/02):もともとはインスタントだったんだけど、時々ドロー呪文として使われるからソーサリーになった。

開発部として抜け目の無いコメントだ。

 D3 9/12 こいつは実際アーティファクト土地の入ったデッキでなら本当に良いドロー呪文だよね。
 D4 9/1 同意、これ手札交換じゃなくてドロー呪文だよね。

それに気付いてくれて嬉しいよ、少なくとも。

 D5 9/16: チームはコモンにしたいってさ(アンコモンは……一時的だったぽい)

私は、こいつがコモンで出てくるドラフト環境は想像したくない。おそらく、皆が皆青を選ぶことだけはわかる。

 D4 9/27 テストよろしく

これから先のカードに比べれば、こいつはまだマシなカードなんじゃないかな。

Disciple of the Vault / 大霊堂の信奉者 (黒)
クリーチャー ? 人間(Human) クレリック(Cleric)
アーティファクトが1つ戦場からいずれかの墓地に置かれるたび、対戦相手1人を対象とする。あなたは「そのプレイヤーは1点のライフを失う」ことを選んでもよい。
1/1


大霊堂の信奉者は、ダークスティール発売後に環境を支配した高速アーティファクトデッキ、所謂「親和」デッキの2枚の最強のカードの内の1枚である。もし君が60枚の内45枚アーティファクトが入っていて、尚且つそれらを意のままにサクる手段があるデッキを使っているなら、こいつは殆ど1マナ10点火力のようなものだ。

開発部の連中は「もし」で始まる疑問を考えるのが好きだ。その中の1つに「もしマジックのカード1枚をその歴史から消せるなら何が良い?」というものがある。その回答として出てくるカード第3位がこの大霊堂の信奉者である(1位と2位は後から出てくるよ)。

さて、ミラディンの開発者は何を話し合っていたか見ていこう。

 D1 10/15:新しいカード。白の新しい「魂の管理人」と対になる黒の可愛くて軽いクリーチャーが必要だった。

可愛い?

 D2 10/17 いいね

マジで?

 D1 11/26:白のに合わせてマナを軽くした。

駄目みたいですね。

親和デッキにボロ負けするプレイヤーを大量に生み出してまで、このマナコストの統一をやる価値が無かったことは確かだね。

Frogmite / 金属ガエル (4)
アーティファクト クリーチャー ? カエル(Frog)
親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
2/2


我々はここに最初に親和能力を持って生まれたクリーチャーを見つけ出した。この実質0マナ2/2のクリーチャーが生まれるまでにどれほどの議論が行われたか?

 D1 10/18:新しいカード。チームが「実質ただで唱えられるクリーチャーを用意することでデッキを組むための動機づけをしたい」と言っている。

目的は達成された!

Myr Enforcer / マイアの処罰者 (7)
アーティファクト クリーチャー - マイア(Myr)
親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
4/4


 D1 9/14 こいつはジョニー向けのデッキだと0マナになる"かもしれない"という話だよね
 D2 9/22: 8マナに戻す
 D1 10/17 いいね
 D2 10/18:推すためにマナコストを減らす。リミテッドで既に充分強かったのでその代わりにアンコモンに。
 D2 11/27: アーティファクト・クリーチャーと親和を良くするためコモンに下げる
 D2 1/2: アーティファクト・クリーチャーの水準がどれほどのものかもう少しテストする必要がある。

1)このカードの実質的なマナ・コストはスパイク向けのデッキでも0になりうる。
2)アーティファクト・クリーチャーの水準は高い。

一旦休憩して、親和という能力を扱うのがデベロッパーにとってどれだけ難しかったかの説明を行わせてもらう。我々は、"パッと見て弱く見える強いカード"というのがどれだけそのセットの初期の評判を悪くするか学んだ。そして、見かけより強いキーワード能力は、そのような"一見弱いカード"を生み出してしまう、とも。親和はそのような能力の1つだ。そして、デベロッパーたちは"パッと見での強さ"と"実際に使った時の強さ"のバランスをどう取るか、という厄介なプレッシャーに晒される。それは、とても居心地の悪いものだと思うし、全く羨ましいとは思わない。

Goblin Charbelcher / ゴブリンの放火砲 (4)
アーティファクト
(3),(T):クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。あなたのライブラリーを、土地カードが公開されるまで上から1枚ずつ公開する。ゴブリンの放火砲はこれにより公開された土地でないカードの数に等しい点数のダメージをそれに与える。もし公開されたカードが山(Mountain)である場合、ゴブリンの放火砲は代わりに2倍のダメージを与える。公開されたカードを、望む順番であなたのライブラリーの一番下に置く。


ゴブリンの放火砲は一見可愛らしくて変なカードに見える。しかし、実際はPTニューオリンズでのエクステンデッドにおいてマナ切り離しとのコンボで2、3ターンでの勝利を可能にしたバケモノだ。レガシーやヴィンテージでなら土地0枚のデッキを組むことが可能なため、1ないし2ターンでの勝利も可能だ。このカードについてるコメントは何と1つしか無い。これだ。

 D1 11/15: デザイン提出からの新作。

私はこの記事に出てくるカードの中で、最もこれに共感を覚える。このタイプのカードはテストするのが本当に難しいからだ。この時は、スタンダードでのテストはしっかりと行っており、このカードはクールな事をしてくれるものだと考えていた。現在では、このようにエターナルフォーマットの自然な多様性を崩すようなカードは作らないように最善を尽くしている。それがしっかりと実行できているかに関しては未だに何とも言えない。

アーティファクト土地(古えの居住地と仲間たち)
Ancient Den / 古えの居住地
アーティファクト 土地
(古えの居住地は呪文でない。)
(T):あなたのマナ・プールに(白)を加える。


ついにアーティファクト土地までやってきた。これらは親和デッキと強烈なシナジーを持つ。実質的に2マナを供給しているのと同じだ。そして、電結の荒廃者やエイトグ、知識の渇望などのアーティファクトを餌として要求するカードとも強烈なシナジーを持っている。普通は、アーティファクトを沢山プレイするという行為は充分な土地を必要とする。しかし、その二つが混ざってしまったアーティファクト・土地は制限をぶっ壊してしまった。例えば、電結親和デッキは45枚ものアーティファクトが搭載されている。これはつまり、電結の荒廃者と大霊堂の信奉者が更に強力になってしまうということである。アーティファクト土地は最終的に、数枚のカードと共に全員禁止リストへと行ってしまった。

以下のマルチバースコメントは、5枚の土地全部に共通するものである。

 D1 9/16: これらは、色んな場面で私を混乱させてくる。

いいぞ……。

 D2 11/13: 単色の基本でない土地がそうだったように、これらも生み出す色と同じカード枠になります。

ああ、なんとこれで全部だ。

Skullclamp / 頭蓋骨絞め (1)
アーティファクト ? 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+1/-1の修整を受ける。
装備しているクリーチャーが死亡するたび、カードを2枚引く。
装備(1)((1):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それにつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。このカードはつけられていない状態で戦場に出て、クリーチャーが戦場を離れても戦場に残る。)


ここでさっきの「もしマジックのカード1枚をその歴史から消せるなら何が良い?」に対する答えの第二位の登場だ。このカードは私の答えとは異なるが、それに値するだろうとは思う。あまりにも強力な無色のカードはフォーマットに対するガンである。2004年の地方大会は3つのデッキに支配されていた。頭蓋骨締めの入った親和デッキ。頭蓋骨締めの入ったゴブリンデッキ。そして、頭蓋骨締めの入ったエルフ軸の歯と爪デッキである。その年の世界大会進出者で、メインデッキに頭蓋骨締めの入っていないデッキを使っていたプレイヤーは20%よりも少ない、という結果が出ている。頭蓋骨締めは、速やかにスタンダードとエクステンデッドで禁止され、レガシーにおいてもあまりにも強力すぎると言う事で禁止カードに決定された。さて、こいつについて何をデベロッパーがどう語ってるか見てみよう。

 D1 2/11: うぇっ、こいつ前は「装備しているクリーチャーが墓地に置かれた時、カードを2枚引く」じゃなかった? そっちの方が好きだったんだけど。そっちがいい。
 D2 2/17: 私も古いほうがすきでしたね。
 D3 2/26 チームもこれは「私をサクッてくれ」テーマと機能しない事に同意してくれた。元に戻す。
 D3 4/30 引いてもよい/引く どっちが良い?
 D3 5/2 より良くするために数字を調整、あと囁き絹の該当とレアリティを入れ替えた
 D2 6/27: こいつは一部の電波デッキで活躍しそう。

……同じくらい、沢山の"普通の"デッキでも活躍したね。

AEther Vial / 霊気の薬瓶 (1)
アーティファクト
あなたのアップキープの開始時に、あなたは霊気の薬瓶の上に蓄積(charge)カウンターを1個置いてもよい。
(T):あなたの手札にある、点数で見たマナ・コストが霊気の薬瓶の上に置かれている蓄積カウンターの数に等しいクリーチャー・カードを1枚、戦場に出してもよい。


 D1 2/10 2から1に下げて、「あなたの」アップキープに変更(多人数戦の事を考えて。
 D2 2/11: 子供が喜びそう。

そして、マーフォークやゴブリンや電結の荒廃者やエクステンデッドの禁止リストも喜んだみたい。

これは、見かけによらず強力なカードだ。マナは、マジックの中心となるリソースの1つである。君に大量のマナをくれるカードはいつも壊れている。普通、そんなマナ加速は呪文を軸にした瞬殺デッキを生み出してしまう。デベロッパーたちは、このマナ加速が無害なクリーチャーを出すことしかできないから安全だと判断したのだろう。蓋を開けてみれば、それは間違いだった。このカードは、電結親和の一番強力な型の構築を生み出してしまった。たいてい、そのデッキでは霊気の薬瓶のカウンターは2を超えずにゲームが終わってしまう。ゴブリンデッキは薬瓶の力を存分に引き出し、5マナのはずの包囲攻撃の司令官をただで出していく。レガシーでさえも、ゴブリンやマーフォークと共に使われている。あまりに強力すぎて、2005年のPTロサンゼルスの前にエクステンデッドでは禁止された。

Arcbound Ravager / 電結の荒廃者 (2)
アーティファクト クリーチャー ? ビースト(Beast)
アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:電結の荒廃者の上に+1/+1カウンターを1個置く。
接合1(これはその上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。それが死亡したとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたは「その上にそれらの+1/+1カウンターを置く」ことを選んでもよい)
0/0


そしてこちらにおわすが「もしマジックのカード1枚をその歴史から消せるなら何が良い?」ランキングの堂々の1位である。この電結親和デッキの主人公は、この記事で今ま出てきたカード達とともに、その年のスタンダードを文字通り荒廃させてしまった。見ての通り、開発者たちはこのカードが好きである。しかし、そんなこのカードにも重大な変更が存在していたのだ。(注、"キメラ"ってのは電結のプレイテスト名)

 D1 3/4: こいつはとんだクソビッチキメラだな
 D1 4/8: こいつはキチガイキメラだね。こいつ大好き……
 D2 4/19: こいつが素敵なカードという票が二つも入ってるね。多分このセットの一番のお気に入りカードになりそう。

ドラムロールお願いします。ドゥルルルルルル……

D3 7/28: 組版に渡した直後に、開発部が3マナから2マナへと変更(7/9)

ジャン!きっとこれは、マルチバース内で生み出されたもっとも価値のあるコメントの1つに違いないね。

Trinisphere / 三なる宝球 (3)
アーティファクト
三なる宝球がアンタップ状態であるかぎり、それを唱えるためのコストが3マナ未満である呪文はそれぞれ、それを唱えるためのコストが3マナになる。(コストの追加のマナは好きな色のマナまたは無色マナで支払ってよい。例えば、唱えるためのコストが(1)(黒)である呪文は、代わりに唱えるために(2)(黒)を支払う。)


先週、私は三なる宝球がヴィンテージに与えるインパクトをもっと考えるべきだったことについて言及した。ダイスロールに勝って1ターン目にMishra’s Workshopから置かれる三なる宝球はマジックというゲームを本当に台無しにしてしまう。置かれた側は3ターン目になるまでMoxを唱えることすらできず、その後はからみつく鉄線に締め付けられるか、煙突でパーマネントを生け贄に捧げ続けるか、あるいは巨大戦車に殴られて終わる。これは、楽しいマジックのためにはあってはならないことだ。三なる宝球はレガシーやエクステンデッドでのコンボ対策という立派な仕事をこなしはしたが、それ以上にヴィンテージにおいてはコンボ対策とはかけ離れた壊れたカードを生み出してしまった。

 D1 2/11:私はD2のこのカードを作った意図が気に入っている。競技向けのデッキに私のファッティ満載デッキが一泡吹かせるチャンスを、ということだね。コスト増加はティミーからスパイクへの逆襲の手段だ。
 D3 2/20: このカードはバカみたいだ。まるで「コインを投げて勝ったらNether Voidを置けるので勝ちです」って書いてるのと同じだ。みんなコイン投げで決まるゲームもNether Voidも嫌いだろうし、誰も幸せにならないカードだと思うよ。

最初のコメントで悲しくなった。ふたつ目のコメントで嬉しくなった。しかし、不幸にも勝ったのは最初のコメントだったようだ。

Cranial Plating / 頭蓋囲い (2)
アーティファクト ? 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき+1/+0の修整を受ける。
(黒)(黒):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それに頭蓋囲いをつける。
装備(1)


頭蓋骨締めはミラディンブロック構築のPTQが来る前に禁止になった。しかし、依然として親和デッキは悠々と環境のトップに居座った。大体このカードのせいだ。大霊堂の信奉者を引くための大量ドローができなくなった代わりに、3マナでクリーチャー達に+11/+0を与えるためのデッキへと変わったのだった。さて、開発部のコメントを見てみよう。

 D1 (3/11/03): 新しい装備品。
 D1 (3/13/03): +2/-2から+3/-1へ。黒要素を足す。
 D1 (3/17/03): 装備コストを1から2へ。
 D1 (3/27/03): 1Bへ変更。
 D1 (4/10/03): 起動コストを1BからBBに、レアからコモンに。

了解、いいね。

 D2 7/3: ちょっと待ってね、"装備しているクリーチャーは+3/-1"に品質向上……もっと面白くしたほうがいいかも。

面白く?何言ってんだよ?

 D2 7/16: 変更した、屍族の能力を得るように……リミテッドで良くなったかな

おいおい、構築ではどうなるんだ?

 D2 8/13: 装備コストを1に.

マジかよ。それで良いと思ってるわけ?

君らの中にはこれらのカードを全盛期でやってなかった人もいるかもしれない。だが、私はこれらのカードを使ったデッキで2004年のオハイオでの世界大会で2位を勝ち取った。まさしく、これらのカードがどう使われてきたに対する生ける有用なサンプルだと言えよう。

Crucible of Worlds / 世界のるつぼ (3)
アーティファクト
あなたは、あなたの墓地にある土地カードをプレイしてもよい。


ここに、私がとても、とっても残念に思ってるもう1枚のカードがある。このカードが露天鉱床、ないしもっと有名な不毛の大地と合わさった瞬間、エターナルのゲームは破壊されてしまう。これが良く起きるのがヴィンテージとMOのクラシックで、前述のMishra’s Workshopを手早く出すのに使われる。コメントを見ていこう。
 
 D1 7/16: 2マナでテストしてみる
 D1 8/13: チームがパワーレベルを心配している、3マナでテストする

このカードに関してはいくらか釈明の余地がある。これがYou Make the Cardの優勝作品であることだ。公募によって生まれたカードのため、デベロッパーたちはこれを使えないカードにはしたくなかったのだ。スタンダードへの影響は小さかったが、不幸にもその他の競技フォーマットでは悲惨なゲームを生み出す結果になった。

Sensei’s Divining Top / 師範の占い独楽 (1)
アーティファクト
(1):あなたのライブラリーのカードを上から3枚見る。その後それらを望む順番で戻す。
(T):カードを1枚引き、その後師範の占い独楽をオーナーのライブラリーの一番上に置く。


 AF 10/24: 良くて魅力的で悪いカード。

 ああ、これは笑えるコメントだったね。これから7年後のこんな感じの記事で血祭りに上げられないように、私は願ってる。そりゃもう決まりの悪いもんだからな。
らすね屋 特記しない限り日版のプレイドカードです
これに送料100円乗せてもらう感じで

SOI
石の宣告 1500
ウェストヴェイルの修道院  1000*2
不屈の追跡者 700
無情な死者 700
ウルヴェンワルドのハイドラ 400
罪人への急襲 300
苦渋の破棄300*3
あとどうでもいいレアとか一杯あるんで言ってくれれば探します

大いなる歪み、コジレック 500
絶え間ない飢餓、ウラモグ 1500

荒廃鋼の巨像 2500
真実の解体者、コジレック 1500
ファイレクシアの塔 1500
Demonic Tutor(3ED) 1500
大修道士、エリシュ・ノーン 1000

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